そして登君の記事の後編。
「笑顔で円満男(登 伝説 後編)」
そしてそれからめまぐるしく登との時間は過ぎていき、その年夏休みを終えて
広島から戻ってきた登は満面の笑みで僕のところに来て『先生見つけたけ〜。ほんまそいつやばいんよ!』といつも以上にサンサンと輝く満面の笑みで僕に話してくれた。
何がヤバいんやろ〜と思い、その日の登の滑りと一緒に滑っていると明らかに夏休み前とは違うくらいレベルが数段にアップしていた。あれもこれもと楽しそうにトリックを出してくる登の滑りは今も鮮明でなにより輝いていた。
アパレルの営業に力を入れていたその年は色んな場所に行っていたのもあり、
登の地元広島にも足を運んだ。太陽のように輝く登と一緒に。

もちろん地元に戻るとテンション倍増の登は早速色んなショップとスポットに案内してくれた。千田公園というカーブ天国のスポットで登と一緒に行ったみんなと滑っていると登が『先生呼んだけ〜ね〜』って言ってきた。
数分が経った時、プッシュの音が僕の耳に入ってきた。登の時とは違う軽くテールを弾く快音とともに。そのスケーターは人見知りなのか、その子を見るなり『先生!』と叫ぶ登のハイテンションとは裏腹に凄く静かな感じで『こんにちわ。山田です。』と恥ずかしそうに言葉を発した。
そう今は凄くメジャーになっていて、EXPRESSIONでも一緒に動いている山田晋一だった。恥ずかしそうにしている晋一をよそに『先生はほんまやばいんよ!まぁとにかく一緒に滑ろ!』と声を張り上げて笑いながら言う登。
晋一の滑りを見たらすぐに登があれだけテンションを上げている理由も理解できた。トリックは多くなかったとは思うが、あのアプローチの速さとボディバランス、なによりオーリーのキレが人間業とは思えないくらい完成度が高かった。
あんなにもの静かだったのに、デッキに乗った瞬間に豹変し、登が小さく見えるくらいのオーラを放つ晋一は衝撃的だった。
もちろんデッキから下りると謙虚でもの静かな晋一に戻るのだが。なにより印象的だったのが、晋一もまた『登中毒』だったこと。
登と楽しそうに話す晋一を見て、僕は当時立ち上げていたアパレルを一緒に動かしたいと感じた。
そして広島を出てスケートをしたいなどの意思やこれからの事などを千田公園でアツく話した。『じゃあタイミングの合う時にでもちょっと関西遊びにおいで〜な』と話す僕にかぶせて『そうじゃ!それえぇやん!家ならあるけ〜ね』とテンションを上げる登。
数ヶ月後、先生は京都に来た。数ヶ月間、登の家に滞在することを決めて。
登邸に滞在する晋一は毎日何時間滑んの?くらい滑っていたと思う。撮影メインの今の動きとは対象的にコンディションなんて関係ね〜くらい身体がボロボロになるまで。もちろん登邸では連夜寝るまで、ビデオを二人でニヤニヤ見ていたんだと思う。
僕は一緒に数ヶ月過ごしたことで、晋一のあの天才的な滑りは努力の証なんだと確信した。その中で一緒にアパレルをやろう!みたいなことにもなり、さらに僕と登のテンションはめまぐるしく加速した。
数年間このメンバーで一緒に頑張り、晋一は大阪に気づけば僕は東京に移住していた。東京に住みながら関西を行き来する一年くらい経った頃には現グレープバインの幸賢一や秋葉ローカル松村純一、京都の若手でスキルの高さに定評があった田村幸太郎など登や晋一と同じくらいスケート好きの良い仲間が集まっていた。
メンバーが集まってからはビデオを作ったり、アパレルラインを拡大したりと成長する反面、不安の連続だった。でも登はキーマンとしていつもいいタイミングで僕にアドバイスをくれたり、チームメンバーを多いに盛り上げてくれた。もちろんうるさいくらい気持ちいい声と笑顔で。
そして登が大学を卒業し、就職が決まったと同時くらいだったかな。アパレルラインもピークを迎えていて、会社を立ち上げるかみんな各自が好きなことをするかと悩んでた時も登は僕に『西山君の好きにしたら間違いないよ!』とこれまた気持ちいい声でプッシュしてくれた。
そして僕が決めた結論が後者『好きな事をやろ!』だった。当時ブームもあってか相当アパレルも盛り上がっていたので、そのまま行こうかと本当に正直迷っていたのも事実だったが、登のこの声で『好きで集まったメンバーやし好きなことしてなんぼ、好きなことをするために止めるんだったらね』と今まで悩んでたのが嘘みたいにあっさりと結論に至った。
それから会社に入って多忙になった登はスケートとは少しづつ離れていった。大手の営業をしている登に再会したのはチーム解散から二年くらいが経過していたと思う。
普通なら営業職という仕事で神経を使い、以前とは少し雰囲気が変わっててもおかしくないのに、そんな登はそこにはいなかった。
相変わらずムカつくくらい爽やかな笑顔で久しぶりに会ったのを感じさせない気持ちの良い声で『西山君!営業もスケートと変わらんね!』と言ってきた。
『何言ってんの?』と思い聞き直したら
『営業も心!スケートも心!成功へのイメージをしっかり伝えて、アタックすればトリックをメイクするのと同じなんよ!物を買ってくれるのが決まった時はスケートのメイクと同じように快感なんよね〜!』そうあっけらかんと彼は言った。
素晴らしい。僕はこんなに気持ちいい笑顔と発言で周りの人に影響を与える人を今までに数人しか知らない。登の笑顔はいつも太陽みたいで、何より誠実さがあって品格すら感じさせられる。登 浩一とはそんな人だと思う。
来年早々に結婚を決めた登は、これまた僕が神経をすり減らし自分を追い込みギリギリのところで仕事と闘っていた、昨晩いきなり電話をくれた。
『西山君、今何しよるん?』すごいタイミング。しかも広島を出て数年経つ今も彼は全くなまりが抜けていない。
もちろんスケジュールを無理矢理あけて登と再会した。一年ぶりくらいに会った登は僕の期待を裏切らない満面笑みで『ども〜っ!』と元気に挨拶してきた。
結婚の話やこれからのこと、スケートシーンについて荻窪『18番ラーメン』を食べながら話した。
二時間くらい話した後、ちょっとは別れ際が寂しくなりそうなものだけれども登とは全くそう感じない。僕のまわりにはANDY君をはじめ、こんな感じで別れ際を惜しむ仲間というのはあまりいない。なぜなら、お互い健康だったらいつでも会えるから...。
お互いの時間軸の中での運命的なタイミングで。
あっけらかんと電話をしてきて、あっけらかんと明日会うかのように別れる。こんなに気持ちいい素敵な仲間に出会えた事に感謝だし、スケートボードの奥深さを再確認した。
週末返上でバタバタしているけど、この登という人のあっけらかんと明るい笑顔に触れることで何にもかもが上手くいく!と直感的に感じた。今日も、明日も明後日も...ずっと頑張れる気がします。本当に登ありがとう!
P.S
登結婚おめでとう!昨日も話したけど、絶妙なタイミングでいつも動く登は最高だし、これからも接点があれば一緒に何でもしよ!自分に責任感を持って、徹底すれば何でもできる!ずっと応援してます。とりあえず来年広島で!!お幸せに!
最近twitterを始めました。RUAの更新情報諸々がtwitterでもチェックできます。
